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「いろり」をいただいた4年前の話

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2023年4月18日配信のメールマガジンの一部をこちらにも掲載します)
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こんにちは。

いろりデザイン室の武田えいこです。

日々書いてるメルマガを「いろり journal」と名づけました。

この「いろり」の文字はとある書道家さんに書いてもらったもの。
いつか使わせてもらおうと今まで大切に温めていました。

今日はそのストーリーを書かせてください。

4年前の今日、4月18日はいろりデザイン室を開業した日でした。
意気込みたっぷり、元気いっぱい開業届を出した、、訳ではありませんでした。

実はね、次の日から入院が決まってたんです。
なんと直前に人間ドックで癌が見つかって。
びっくりですよね。私が一番びっくりでした。

幸い、命に別状のない簡単な手術だけだよ、ということは医師から聞いていたけども、人並みに落ち込みました。

小さい子供たちのかわいい寝顔を見て、この先どうなるんだと夜中にひとり涙を流したり。
今考えると大袈裟なんですけどね。

そして、
なにもこの時期に会社を辞めて、独立しなくてもいいんじゃないか。
とりあえず腰掛けの会社員でもいいじゃないか。
そんな無理しなくても・・・

周りからもそう言われたし、自分で自分に何度も問いかけてました。

「それでも、前を見るしかない!」
そこに留まっていることの方が怖かったのです。

だから、入院する前日に、決意表明みたいに開業届を出したのを覚えてます。

病気が発覚するその1ヶ月ほど前のこと。
ご自宅をゲストハウスにリノベーションしようとしているご婦人を、友人に紹介してもらいました。

「いろりデザイン室」と書いた名刺を私が差し出した瞬間、
「えー!うちのゲストハウスの名前も『いろり』にしようと思ってたの!あなたにお任せするわ!!」

まだなんの実績もない私にそう言って、デザインを任せてくださることになったのです。
「ピンときたの」と運命のような出会いでした。

でもその後、私の病気が見つかり、一旦そのお仕事を断ろうとしたのです。
大切なご夫婦の想いを中途半端にはしたくなかったから。

それなのに、「大丈夫、復帰を待ってるから」
そう言って、先にご入金までしてくださったんです。

まだなんにもしていないのに、こうやって待っていてくださるお客様がいるってどれだけありがたいことか。

無事回復して、約半年かけて、一緒に思い入れのあるゲストハウスを作りました。
いつの間にか、娘のようにかわいがっていただきました。

完成間近、ご婦人のお友達の書道家の方に、ゲストハウスのロゴを書いてもらったんです。

「Guest House いろり」

とっても気さくで、あたたかくて、チャーミングなご夫妻にぴったりな「いろり」の文字。
ちょっとうらやましいなぁ、いいなぁって、わたし隣でつぶやいてましたね。

ところがです!
その直後にとある事情で、「いろり」という宿名が使えなくなってしまったのです。
完成間近での急展開でしたが、最終的には次の素敵な名前が決まり、ロゴも作り直し一安心。

こうして、私の独立して初めてのお仕事は無事完了しました。

その後、
「せっかく書いてもらった『いろり』の書、よかったらえいちゃんが使ってよ」
そう言って、あの書をプレゼントしてくださったのです。

なんとーーー!!!!私にくださるのですか!

 

ゲストハウスが完成してからの3年は、コロナ禍真っ只中。
せっかく空間は完成したのに、なかなか日の目を見ませんでした。
我慢の3年だったとお聞きしています。

「最近になって、ようやくインバウンドが戻ってきてくれた!」
「毎日賑やかで、やっと思い描いていた光景が見えたよー!!」

そうインスタで報告してくださるご夫婦。
やーっとですね。
ゲストをお迎えしてるおふたりのお顔を思い浮かべると、本当に嬉しくて。

そして、自分自身のことを思い返しました。
4年で私もちょっとは成長したかな。
病気がちだった体は嘘みたいに元気になり、
仲間が増え、仕事の幅も広がり、
おかげさまでとてもとても楽しく仕事をさせてもらってます。

本当にいろりを囲むような温かい場所ができたなぁ。
4年前の今日、決意表明してよかった。
心からそう思うのです。

いつもお世話になっているおひとりおひとりの顔が浮かんできて、感謝しかありません。

これからもずっと忘れないように。

そう思って、このメルマガのヘッダーに
あの「いろり」の書を入れさせてもらうことにしました。

これからも「いろり」の日々を読んでくださればうれしいです。

いつもありがとう!今日は皆さんに感謝を込めて!!

ご夫婦と一緒に作った宿泊施設の記事は>>こちら
vacation rental saraku
本当に素敵なご夫婦でね、私の憧れなんです。
ぜひ読んでくださいね。

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